
2026年9月13日
2026年8月29日から9月6日に実施したオーストラリア海外研修の一環として、8月31日にSouth Australian Sports Institute(SASI)を訪問し、トップアスリートを支えるスポーツ医科学の施設やサポート環境を視察しました。
今回の施設見学は、海外におけるハイパフォーマンススポーツの支援体制を学び、東海大学で推進している大学生アスリートへのメディカルサポートをさらに発展させるための貴重な機会となりました。
オーストラリアのトップアスリートを支えるSASI
SASIは、南オーストラリア州を拠点として、トップレベルのアスリートの育成や競技力向上を支援するスポーツ機関です。
日本における国立スポーツ科学センター(JISS)などと同様に、スポーツ科学の知見を競技現場へ還元し、アスリートが高い競技パフォーマンスを発揮できるよう支援する役割を担っています。
トップアスリートが競技力を高め、継続して活躍するためには、競技技術やトレーニングだけでなく、身体機能の評価、コンディショニング、栄養、リカバリー、外傷・障害の予防など、多角的な視点からのサポートが必要となります。
今回の視察では、こうしたスポーツ医科学的な支援を実践するための施設環境に触れ、競技現場を支える体制の重要性を改めて認識しました。

競技力向上と健康管理を両立するために
スポーツ医学において重要なのは、外傷・障害が発生した際に治療を行うことだけではありません。
アスリートの身体状態を継続的に把握し、疲労やコンディションの変化を早期に捉えることで、外傷・障害の予防や競技パフォーマンスの維持につなげていくことも重要な役割です。
特に、競技レベルが高くなるほど、わずかな身体状態の変化が競技パフォーマンスに影響する可能性があります。そのため、医学的な評価結果を競技現場で活用し、医療スタッフと指導者、アスリートが共通の認識を持ってコンディショニングに取り組むことが求められます。
今回、トップレベルのアスリートを支える施設を実際に見学したことで、スポーツ医科学の専門的な知識を、どのように競技現場へ結びつけていくべきかを考える機会となりました。

東海大学におけるアスリート支援との共通点
東海大学では、医学部・付属病院・競技現場が連携し、大学生アスリートを対象としたメディカルサポートに取り組んでいます。
実際にアスリート健診では、血液検査や体組成測定、各種問診などを通じて選手の身体状態を把握し、その結果を競技現場にフィードバックすることで、健康管理やコンディショニングに役立てる取り組みを進めています。
また、競技特性に応じた外傷・障害の予防や、女性アスリートの健康支援、スポーツ医学に関する研究活動など、支援の対象や内容も徐々に広がっています。
一方で、大学生アスリートを取り巻く環境は競技によって異なり、限られた時間や人的資源の中で、いかに継続的かつ効果的な支援を提供するかという課題もあります。
今回のSASI視察は、こうした課題に対して、スポーツ医科学の専門性を活かした支援環境の整備や、多職種・多分野の連携体制について考える大きなきっかけとなりました。
東海大学独自のメディカルサポートモデルの構築へ
東海大学には、国内トップレベル、さらには国際舞台で活躍する学生アスリートが数多く所属しています。
こうしたアスリートを支えるためには、競技力向上だけでなく、健康管理、外傷・障害の予防、競技生活を通じた長期的な健康の維持までを視野に入れた支援体制が重要です。
今回の研修で得られた知見を参考に、東海大学が有する医学部・付属病院・体育学部・競技現場という環境をさらに活かし、大学生アスリートに適したメディカルサポートモデルの構築と高度化を目指していきたいと考えています。
また、日々の健診やコンディショニング評価から得られる情報を研究活動につなげ、その成果を再びアスリートへ還元することで、医療・研究・競技現場が一体となった持続可能な支援体制の発展にも取り組んでまいります。
今回のSASI視察で得られた経験を、東海大学におけるスポーツ医学のさらなる発展につなげていきます。
